宮崎 滋:

《想夫恋 II》ソプラノとオーケストラのために(初演)

 

作品解説:

「想夫恋(そうふれん)」は、本来雅楽に由来するタイトルですが、一般に恋慕の歌の総称として使われています。作曲者宮崎はこの言葉の響きがたいへん気に入っており、いずれ作曲者にとっての連作シリーズの呼称となる予定です。このタイトルの作品は合唱曲を含めると3作目になります。今回「II」としたのは、室内楽とソプラノのための最初の「想夫恋」についで着想、それと対をなすべく構想されたため。最近の宮崎作品同様、スコアにはほとんど小節線もなく、拍子もなく絶対的なテンポもなく、各楽器が互いに自発的に対応しながら響きを積み上げ、要所要所で合体してはまた分離・解体を続けてゆく構図で曲が進みます。ソプラノのソロは後半で出現。「平家物語」の『小督』の一節と宮崎自身の訳詩による数点のドイツ語詩がテキストとなっています。俊英薗田真木子さんの名唱にもご期待ください。

プロフィール:

宮崎 滋(みやざき しげる)

日本現代音楽協会、(社)日本作曲家協議会、(社)日本歌曲振興会会員。NHK・毎日新聞社主催第44回日本音楽コンクール作曲部門第1位受賞。現代ギター社主催第31回武井賞受賞。2000年より連続10年10回の作曲個展終了。作曲のかたわら、編曲、演奏、評論、執筆も多数。「宮崎滋メルクマール・コンサート~レクチャーでつづるクラシックの喜び~」「おしゃべりコンサート」「リスト生誕200年記念レクチャーコンサート」ほか、各地でピアノ演奏を兼ねた音楽会シリーズを展開する。

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